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手術室看護師の仕事内容は事前の準備と力仕事です。~整形外科編
整形外科で手術を必要とする疾病は多様です。指先の腱縫合や腱鞘切開のように術野が小さいものから側弯のように術野の大きいものまであります。そのため、ほかの診療科とは異なり術中の体位のバリエーションも多様です。今回は下腿の手術を担当する手術室看護師の一日を紹介します。
目次 [目次を隠す]
下腿の手術を担当する手術室看護師の一日
まず、整形外科で下腿の手術では腰椎麻酔が一般的です。小児の場合は全身麻酔で行われます。今回は成人を対象とした手術の紹介になります。整形外科の下腿手術では外回り看護師と直接介助の看護師がペアになります。予定されている手術が午後もあれば役割を交代し手術を担当します。
まず、術前訪問をしている病院は手術の前日から業務がはじまります。
前日
15:00~17:00 外回り :前日入院されている患者のもとに術前訪問。
明日の準備。
使用予定の資材の確認
直接介助:物品の準備。
手術に使用する工具の手順を確認
当日
8:20 ミーティング
外回り :ベッドや輸液などの準備。
直接介助:器械を開ける。
9:30 入室 外回り :病棟からの申し送り。
麻酔科医師と確認。
直接介助:麻酔導入の準備。
腰椎麻酔介助
導尿などの処置
体位固定
消毒
外回り :患肢を持ち上げる
ドレーピング
直接介助:ドレーピング介助
10:20 執刀開始
外回り :医師、直接介助が動きやすいように器械を配置
器械、ガーゼのカウント。
適宜、患者の状況把握。
資材の補充
例:使用したボルトや針金など
直接介助:医師が必要な器械を手渡す。
手術の進行を外回りに伝える。
例:使用したボルトや針金など
器械、ガーゼのカウント。
閉創
外回り :器械、ガーゼのカウント。
適宜、レントゲン準備
直接介助:器械、ガーゼのカウント。
12:00 退室(リカバリー室に移動)
外回り :患者の観察
直接介助:片付け
工具の数を確認。
12:30 病棟
外回り :病棟もしくはICUに申し送り。
15:00 翌日の準備
17:00 帰宅
一日の流れはいかがでしたでしょうか。お気づきの方もいるかと思いますが、看護師の業務に工具の手順の確認と消毒、ドレーピングの介助が加わります。なぜかと言うと工具はメーカーによって組み立てる手順が少しずつ違うことと工具が一つでも足りないと手術が出来なくなるためです。そのため、直接介助の看護師は前日に確認を行います。
また、消毒については、消毒する部位が前面だけでなく裏面もあるからです。そのため外回り看護師は患肢を持ち上げ、医師が裏面も消毒しやすいように介助をします。また、通常のドレーピングは2名で行えますが、四肢のドレーピングは、患肢を持つ人が必要になりますので直接介助の看護師が介助に加わることがあります。
手術室 看護師の仕事内容を介助別に見るとどうなるの?
外回り看護師の仕事
整形外科の手術では、ボルトやプレートなど特殊な資材が用いられることがあります。特に、人口関節にかかわる資材は特殊なため手術が開始してから「ない」では済まされない話になります。そのため、前日に資材がそろっているかを確認することも看護師の役割になります。
また、多くの手術の消毒は前面だけですが、四肢の手術は裏面も消毒をするため患肢を持ち上げ消毒しやすいように介助をします。
直接介助の仕事
整形外科で用いる工具はレンタルのことが多いです。そのため、直接介助の看護師は手術前日に使用するメーカーの工具が到着しているか、工具の数はそろっているか手順書はあるかを確認します。
また、術中、スムーズに工具を医師に手渡せるよう手順書を見ながら工具の組み立ての練習を行う看護師もいます。手術が終了すると、工具の数を確認し洗浄します。必要であれば、メーカーに工具の引き取りの連絡をします。
下腿手術で特徴的なこと
骨折している患者
骨折するとギプスや牽引で固定をして動かないようにします。骨折部位を動かさないことで痛みは抑えられます。しかし、手術を行うには麻酔をしなければなりません。下腿手術では一般的に腰椎麻酔を用います。この腰椎麻酔を行うには膝を抱え込み、臍をみるような体位をとらなければなりません。
ギプスで固定されている患者は患肢を動かしても大きい痛みを訴えませんが、牽引をしている患者はそうはいきません。手術ベッドへの移動などで牽引を外されることになります。患者は痛みを伴いながら腰椎麻酔を受けることになります。そのため、移動や体位をとるときは患者のペースに合わせることや身体を動かす回数を少なくできるよう介助をします。
駆血帯を使用する患者
大腿骨の手術以外では駆血帯を使用することになります。目的は、出血があると手術の妨げになるため一時的に血流をとめるためです。しかし、この駆血帯、300~350mmHgとかなりきつく締め付けます。患者は麻酔が効いていますから締め付けの痛みはありません。
しかし、術後に駆血帯を外すと内出血になっていることがあります。また、一時的にとめていた血流が再開することで血圧が下がります。この血圧の低下が一時的なものか観察するのも看護師の業務です。
まとめ
手術室看護師の仕事内容はいかがでしたか?整形外科の手術では特殊な工具を使用することがあります。工具は、メーカーによって少しずつ異なるため、直接介助の看護師は事前に手順の確認をしたり工具に不足がないかを確認します。
同様に、外回り看護師は使用する資材がそろっているかを確認します。また、麻酔が効いた状態の下肢はとても重いです。この下肢を持ち上げ消毒の介助を行うのも外回り看護師の仕事です。


執筆者情報
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