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手術室看護師の仕事は良肢位を保持した体位固定。 ~呼吸器外科手術編
呼吸器外科が担当する疾患は気管支と肺です。疾患によっては仰臥位ですが、一般的には側臥位です。全身麻酔下で手術が行われるため術中、患者の呼吸は人工呼吸器で管理をします。
多くの手術で用いる挿管中部はシングルタイプなのですが、呼吸器疾患ではダブルルーメンを用います。理由は、切除する側の肺呼吸を一時的に止めるためです。シングルタイプでは片肺換気はできません。
目次 [目次を隠す]
呼吸器疾患を担当の手術室看護師の一日。
呼吸器疾患を担当する看護師の一日をご紹介します。まず、呼吸器の手術は鏡視下手術か開胸手術になります。予定の術式で体位が変わることは、ほとんどありません。
術中に術式が変わると使用する器械が変更になります。そのため、あらかじめ呼吸疾患の手術など、胸膜癒着が予測される既往歴がある時は術式変更を視野に入れて準備をします。
まず、術前訪問をしている病院は手術の前日から業務がはじまります。
前日
15:00~17:00 外回り :前日入院されている患者のもとに術前訪問。
明日の準備。
直接介助:物品の準備。
当日
8:20 ミーティング
外回り :ベッドや輸液、モニターなどの準備。
直接介助:器械を開ける。
9:30 入室 外回り :病棟からの申し送り。
麻酔科医師と確認。
直接介助:麻酔導入の準備。
硬膜外麻酔介助
全身麻酔介助
導尿などの処置
体位変換:仰臥位から側臥位。
10:30 執刀開始
外回り :医師、直接介助が動きやすいように器械を配置
器械、ガーゼのカウント。
適宜、患者の状況把握。
直接介助:医師が必要な器械を手渡す。
手術の進行を外回りに伝える。
器械、ガーゼのカウント。
標本
直接介助:標本を外回りに渡す
外回り :病理に連絡。
出血量の確認。
適宜、患者の状況把握。
病理
閉胸
外回り :器械、ガーゼのカウント。
抜管準備。
直接介助:器械、ガーゼのカウント。
体位変換:側臥位から仰臥位。
抜管
外回り :抜管介助。
覚醒の確認。
直接介助:片付け
13:00 退室(リカバリー室に移動)
外回り :患者の観察
14:00 病棟
外回り :病棟もしくはICUに申し送り。
15:00 翌日の準備
17:00 帰宅
呼吸器外科手術は外回りと直接介助の看護師がペアになり行います。今回は、1日に1件の手術経過を記載しました。また、一番スタンダードな手術経過になります。手術の件数が多いときは、午前と午後に手術を担当することになります。
手術室 看護師の仕事内容を介助別に見るとどうなるの?
外回り看護師の仕事
今回は一番スタンダードな側臥位の呼吸器外科手術を記載しました。呼吸器外科手術で用いられる体位は側臥位です。体位変換を行うタイミングは患者が麻酔で眠ってからになります。
そのため、患者から協力を得ることはできません。体位変換を行う際は手の空いているスタッフに協力を要請します。また、体位変換の際は点滴や尿菅などを巻き込んだりぬけてしまう可能性があります。
そのようなことが起きないよう注意します。さらに、体位変換で起きやすいのが神経の圧迫です。これは術後の後遺症になるため、神経を圧迫しないよう良肢位を保つ体位固定が必要になります。術後、ICUや病棟へ申し送りをします。それが終わると翌日の準備になります。
直接介助の仕事
直接介助の看護師が担う業務は器械の準備と器械だしです。その他にも体位変換や体位固定も行います。呼吸器外科手術は、術野が小さいことが多くあります。患者の術後の疼痛にはいろいろとありますが、痛みの一つはこの小さい術野に圧をかけることによって生じます。
この小さな術野とは、肋骨を切断する開胸ではなく、肋骨間を小さい開胸器などで少し押し広げることを指します。術後に肋骨が元の位置に戻ろうとするときに痛みが生じます。外回り看護師にはこの手技が見えませんので直接介助が今どのような処置を行っているのか報告をします。手術が終了すると使用した機器の片づけを行います。
外回りや直接介助の看護師が気を配る必要がある時。
体格の良い患者
手術室のベッドはとても狭いです。そのため、寝返りをすると落ちてしまいます。また、アスリートの様に体格が大きい患者はベッドからはみ出してしまうこともあります。仰臥位では体格の大きさはさほど関係ありませんが、麻酔後に体位変換を行うときはとても大変です。
まず、患者の協力を得られないので体位変換を行うときは、人手を集めなければなりません。さらに、体位を固定するとき、良肢位を保つのが原則です。
しかし、肥満体型の患者になると知らないうちに尿管等を挟み込み圧迫してしまうことがあります。麻酔後の体位交換では良肢位が保たれているか確認しながら行います。また、指示器も大きいものを準備したり保護材にも気を使います。
刺青のある患者
最近は老若男女を問わずファッションの一部として刺青をいれる方も増えてきました。小さな刺青でしたら部位によってはその場所を避けて切開を行うことも可能だと思います。
しかし、大きな彫り物になるとそうとはいきません。皮膚の傷跡は目立たなく縫合することはできますが、どうしても傷跡は残ります。
また、医師も細心の注意をしながら縫合しますが彫り物がずれてしまうこともあります。術前に医師からも彫り物に傷がつく話はあります。
しかし、医師に彫り物について話をしていない患者もいます。術前訪問で彫り物があると分かった時、医師からの説明の有無や患者の認識を確認しておく必要があります。
まとめ
手術室看護師の仕事内容はいかがでしたか?全身麻酔科で一番大変なのは、麻酔後の体位変換です。
全身麻酔後には患者の協力を得られません。術後にしびれなどの神経症を生じないように良肢位を保つのですが、体位変換の時、患者本人に違和感の有無を確認できません。そのため、体位固定の時は医師に位置を確認しながら行います。


執筆者情報
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