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手術室看護師が行う感染の予防と対応
あなたは、「感染」ときくと感染=感染症と考えていませんか?
実は、感染と感染症は違います。
手術室看護師が実際に行ったり、体験している感染についてご紹介します。
目次 [目次を隠す]
感染とは
感染=感染症と思っているかたはいませんか?
感染と感染症は違います。感染とは、微生物や病原体が寄生し増殖することやその過程です。感染症は、感染によって発症する疾病のことです。
患者が手術を通じて感染し感染症を発症することは、あってはならないことです。手術室看護師は、感染について理解して感染を防がなければなりません。つまり、手術室看護師には感染のリスクマネジメントが求められます。
感染のリスクマネジメント
感染のリスクマネジメントは大きく分けて2つのカテゴリーに分けられます。一つは予防、もう一つが対応です。
予防は、感染経路を断つために行う行動ととらえるとわかりやすいです。
対応は、起きてしまった現象への対応と考えると理解しやすいと思います。
手術室で行われている感染の予防
前述しましたが、手術を通じて患者が感染し感染症を発症することはあってはならないことです。
そのため、手術室では感染経路を断つために、衛生管理を十分に行うようにしています。
手術室での衛生管理は、滅菌物を適切に取り扱うこと感染源になる体液などの付着がないか確認することなどです。
衛生管理には、自分が感染の媒介者にならないよう行動することも含まれます。
また、予防には、患者の体液などでの汚染を必要以上に広げないよう環境整備も含まれます。
汚染を広げない環境整備
汚染を広げないように環境整備を整えるには、手術室看護師が術式によって汚染区域が異なることを理解していなければなりません。
例えば、開腹手術です。ひとえに開腹手術といっても疾病によって手技は異なります。開腹手術で汚染区域は、「腹腔内の洗浄の有無」で大きく異なります。
腹腔内を洗浄するとき、洗浄水を吸引をしながら汚染区域を拡大しないように心がけます。しかし、腹腔内を洗浄した汚水全てを回収できるとは限りません。
汚染区域が拡大してしまうと、室内の清掃に時間がかかってしまいます。そうすると次の入室時間が遅れてしまうことがあります。
問題は、入室時間だけではありません。
汚水がベッドの高さから床に落ちることによって汚水がはねます。はねた汚水が少量であると汚染した場所が分からなくなることもあります。そのため、腹腔内洗浄のように術式によって汚染区域の拡大が予測される術式では、床に吸水シーツを敷いたりします。
また、汚水が患者の体幹を伝い術野以外にも拡大することがあります(背部など)。そのような時は、執刀前に術野の邪魔にならないよう、注意をしながら体幹のわきに厚手の吸水シートを挿入することもあります。
洗浄水による汚染の影響は、床や患者だけではありません。術者も影響をうけます。
手術で用いるガウンは不織布でできているため術者の着衣が濡れることはほとんどありません。しかし、防水ではありません。そのため、長時間、ガウンが濡れた状態にあると術者の着衣が汚染されてしまうことがあります。そのような時は、ガウンの下に防水性のディスポのエプロンを着用する方もいます。
その他には、シューズカバーやゴーグルの着用などを用いて予防をすることもあります。
術式によって汚染区域を広げない環境整備は異なります。手術室看護師は、そのことを理解し術前の準備をしなければなりません。
感染症を有する患者の環境整備
感染症を有する患者の環境整備は普段とは違うことが多くあります。
普段は再利用をして利用をするものを感染症を有する患者には、ディスポで対応することが多いと思います。
例えば、患者が着用する手術着がそうです。載石位などの術式では手術着を着用したままで行うことがあります。感染症の体液が付いた着衣が手術室内を移動することで感染リスクが上がります。そのため、ディスポに変更する医療施設もあります。
その他にも、執刀医師や麻酔科医師、直接介助など手術にかかわったスタッフは、術後に履物を交換したり着替えをする方もいます。そのため、手術が始まる前に交換用の履物を準備しておく手術室看護師の方もいます。
多くの医療施設では、感染症の予防の手技についてマニュアルを作成しています。マニュアルを用いることで感染症への対応が十分に行えるようにしています。
手術室で行われている対応
術前に汚染を予測し環境整備を行っても、全てを防ぐことはできません。
そのため、手術室看護師は、起きてしまった汚染区域をさらに拡大しないように対応をしなければなりません。
汚染を拡大させないための対応
汚染を拡大させないための対応は、初期対応が不可欠です。
前述した、腹腔内洗浄を仮定します。床に落ちた汚水は、知らないうちに踏んでしまうこともあります。
汚染した履物で手術室内を歩くとどうなると思いますか?
そうです。目に見えない汚染をまき散らすことになります。感染のリスクをまき散らしているのと同じです。
そのため、時には、汚水などで汚れてしまった診療科医師や麻酔科医師をその場にとどまらせて、履物や衣類の交換を依頼します。
術中に床や手術ベッド周辺の汚染は、執刀中の医師の邪魔にならないようにしながら汚染箇所を除去します。汚染箇所を放置しておくと知らないうちに誰かが接触してしまうことがあるためです。
汚染箇所を除去する清掃方法は、医療施設によって決められています。感染症の有無によって清掃に用いる薬液が異なるため手術室看護師は、状況によって薬液を選ばなければなりません。
汚染箇所の除去にについてもマニュアルにしている医療施設は多くあります。
まとめ
手術室で行われている感染の予防策と対応策をご紹介しました。いかがでしたでしょうか。
感染とは、微生物や病原体が増殖することやその過程を言います。感染によって発症する疾病のことを感染症と言います。
手術を通じて患者が感染することはあってはならない事態です。そのため、手術室看護師は感染のリスクマネジメントを理解していなければなりません。
感染は大きく分けて予防と対応に分けられます。感染の予防は、手術室看護師が術式によってどこを汚染するかを知っていなければなりません。
感染の対応は、起きてしまった汚染を拡大しないように行動をすることです。そのため、汚染箇所を適切に除去をしなければなりません。清掃に用いる薬液は、感染症の有無によって異なります。手術室看護師は、どの薬液を用いるべきか知っていなければなりません。
手術室看護師の方で、現在勤務する手術室の感染について疑問に思い転職を考えているようでしたら一度、転職サイトに相談をしてみてください。
医療施設によって感染に対する基準は違います。
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執筆者情報
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